サプライチェーンデューデリジェンスと報告に関する規則

サステナビリティ規制の法整備を巡る最近の動向について
企業が事業活動においてデューデリジェンスを実施し、結果としてサプライチェーンの透明化を図る必要がある国や法域を取り上げます。
- オーストラリア、APAC | 有効:2018年
オーストラリア現代奴隷法(英連邦法)
適用対象:オーストラリアで事業を展開しており、年間連結売上高が1億豪ドル以上になるオーストラリアの事業体または企業。
- 見込みEU | 有効:未確定
人権・環境デューデリジェンスの義務化
適用対象:500名を超える従業員がおり、売上高が1億5,000万ユーロを超えるEUの企業。人権侵害のリスクが高い業種で企業活動を行っており、250名を超える従業員がおり、売上高が4,000万ユーロあるEUの企業。EU内の売上高が1億5,000万ユーロを超えるEU外の企業。人権侵害のリスクが高い業種でEU内の売上高が4,000万ユーロを超えるEU外の企業。
- EU
EUタクソノミー
グリーンタクソノミーとは基本的に、環境面で持続可能と見なすことができる経済活動とはどのようなものかを明確にした分類システムのことです。EUタクソノミーは、社会と環境にとって有益な企業活動を定義する枠組みを提供することで、グリーンウォッシングを回避し、持続可能な投資のための公平な競争条件を実現するものです。
- EU | 有効:2023会計年度について2024年から
企業のサステナビリティレポートに関する指令
以下の3つの条件のうち、2つに該当している企業が適用対象です。売上高が4,000万ユーロ、資産が2,000万ユーロ、または従業員が250名。EU圏内の売上高が1億5,000万ユーロを超える企業。有価証券を規制市場に上場している中小企業もこの指令の対象となります。
- ドイツ、EU | 有効:2023年
ドイツサプライチェーンデューデリジェンス法
ドイツで事業を展開しており、3,000名(2024年時点では、1,000名まで引き下げられています)を超える従業員がいる企業に適用されます。このような企業のサプライチェーンとなっている取引先(直接/業種によってはTier2以上)は、ESG情報開示の要請に応じることが求められる可能性が高くなります。
- フランス、EU | 有効:2017年
注意義務法(Devoir de Vigilance)
フランスで設立され、フランス国内の従業員数が5,000名を超える、または全世界の従業員数が10,000名を超える企業に適用されます。
- ノルウェー | 有効:2022年
ノルウェー透明性法
ノルウェーに登録している企業、またはノルウェーで納税している企業で、以下の3つの条件のうち2つを満たしている企業に適用されます。正社員が50名以上いること年間売上高が7,000万ノルウェークローネ以上あること残高合計額が3,500万ノルウェークローネ以上あること